続パスカルの葦笛のブログ

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アルティノグリュ指揮フランクフルトhr響のマーラー4番

アルティノグリュ指揮フランクフルトhr交響楽団ソプラノ独唱はチェン・ライスで、マーラー交響曲4番の演奏である。アルティノグリュ(1975-)は2021年から首席指揮者に就任している。


第一楽章。
57小節の第一バイオリンで、アルティノグリュはテヌート記号の付いた2つの音符にポコ・リテヌート(少しテンポを落とす)でテンポを落とした。ワルター指揮フランス放送管弦楽団なども同様だ。


第三楽章。
45小節のファゴットで、フィルハーモニアの楽譜はそうなっているが、アルティノグリュはホルンで演奏させたようだ。
彼ばかりではなく、モーリス・ジャンドロもホルンで演奏していた。フランス系指揮者にはそういう伝統があるようだ。楽譜の版によってはそうなっているのかも知れない。面白いところだ。


210小節のfffのアタッカ(総奏)の前で、第一バイオリンのアクセント記号の付いた2つの音符にリテヌートを掛けて、テンポを落として総奏(アタッカ)を掛けたのは効果が出た。


第四楽章。
11小節のフルートの後、ソプラノ独唱が入るが、楽譜はpoco rit.とあり、メンゲルベルクやワルターなどもテンポを落としている。アルティノグリュは4回繰り返される音型の4回目にテンポを落としダイナミクスもppに弱めた。


余談だが、バーンスタインはマーラーはボヘミアの田舎に生まれ家が貧しかったので、マーラーの部屋は道路に面していて、往来の雑音を聞いて成長したが、馬車の鈴を聞いて育ったのだと言う。この交響曲の冒頭に鈴が鳴るのはそれだと言う。貧乏人のユダヤ人は馬車の鈴を子守歌のように聞いて育ったので、ショルテイやセルはそれを良く知っているので、馬車が家から遠さがってゆく様子をリタルランドで表現している。


なるほどショルティのCDを聞くとバーンステインがいうように鈴が遠ざかる様子を演奏している。しかしセルは淡白である。たぶんバーンスタインはセルのライブを聞いているのだろう。