続パスカルの葦笛のブログ

FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。

2022年10月のブログ記事

  • 尾高忠明指揮大阪フィルのヴァーグナー『神々の黄昏』葬送行進曲

    尾高忠明はウェールズBBC響でプロミス・デビューをはたしたが、その時のプログラムがヴァーグナーの『神々の黄昏』から「夜明けとジークフリートのラインの旅、葬送行進曲、ブリュンヒルデの自己犠牲」の抜粋であった。この演奏は大変な評判となり、CDになった。大阪フィルでもぜひ紹介したいプログラムだったそうで... 続きをみる

  • ラハリ・シャニ指揮PMFオーケストラの『オベロン』序曲

    おまけ。 ウェーバー作曲歌劇『オベロン』序曲。音楽は付け足しではなく、極上の演奏であった。10-15小節は楽譜にないドイツの伝統的な慣習法に基づくテインパニの加筆があった。 左頁11小節のチェロの3つのピチカートをテインパニで打たせていた。 ここは伝統的な奏法では、最初のピチカートのみがテインパニ... 続きをみる

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  • 旨過ぎるラハル・シャニ指揮PMFオーケストラのブラ2番

    ラハル・シャニ(1989-)、もう既に巨匠の域に達している。これから発展すると何処まで成長するのか。それを考えるとそら恐ろしい気がする。 今年の名演年間ベストテンの第一位と言っても過言ではないだろう。 第一楽章の10小節からのホルンの旋律線を強調するのだが、その下部の13小節のチエロの旋律線を歌わ... 続きをみる

  • 大野和士指揮宮崎国際音楽祭管弦楽団のドビュシー『海』

    大野和士にとっては手慣れた名曲の安定した演奏ということになろう。 第一楽章の8の6-9小節は、改訂版ではなく初版の楽譜を使用していて、テインパニに加筆があった。それにしてはややテインパニの音は控えめに打たれていた。 9以下の弦の処理は流石と言うべきか流れた演奏である。 ところでコーダの15の2小節... 続きをみる

  • ラベル自身の『ボレロ』初演は某日本人作曲家の前座だった。

    日本の作曲家高木東六(1904-2006)は、当時パリ留学中で、ラベル自身の指揮で初演に出会っている。 ラベルの伝記では初演は絶賛されたことになっている。高木東六は、回想録で聴衆の半分は半信半疑で扱いに困惑していて、半分は否定的な反応であったという。当時の聴衆には理解出来なかったのだ。 実はこの演... 続きをみる

  • ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団の『田園』

    ロジャー・ノリントンがシュトゥットガルト放送交響楽団(1998-2011)で、ベートーベン交響曲6番『田園』を演奏した2002年ライブ録音である。2021年11月に引退したので、最も脂が乗りきった頃の演奏ということになる。ピリオド奏法の全盛期で、もう20年が経過した。鈴木雅人が古楽器楽団を解散し、... 続きをみる

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  • へそ曲がり大王エーリッヒ・クライバーの『グレイト』の名演2

    シューベルトの交響曲8番『グレイト』の名演は、フルトヴェングラーとクナッパーツブッシュということになるが、そこにエーリッヒ・クライバーを入れて、この名曲を論じるとき、この三人の指揮者は論じなければどうしても手抜かりということになろう。 どうしてエーリッヒ・クライバーが抜け落ちたのだろうか。とりわけ... 続きをみる

  • へそ曲がり大王エーリッヒ・クライバーの『グレイト』の名演1

    エーリッヒ・クライバー指揮北ドイツ放送交響楽団の1954年の演奏は究極の『グレイト』と言ってもいいかもしれない名演だ。ベームが親父も変わった男だったと語っていたが、親子鷹でもあれば親子変人だったことも分かる。そして父親があれほどまでに名演をものしたのだから、カルロス・クライバーにも向いていた音楽で... 続きをみる

  • 円熟の進化目覚ましい広上淳一指揮アンサンブル金沢の『エロイカ』

    広上淳一のアンサンブル金沢に転出したお披露目公演としては『エロイカ』の演奏は成功したものであろう。円熟の進化目覚しい演奏であった。 第一楽章が、今日では小数派になってしまった反復を実行していたのも好ましかった。 319小節のテインパニで、後半からクレッシェンドしていたのが注目された。 この部分はワ... 続きをみる

  • 知の巨人外山滋比古「家ついて行っていいですか」出演か?

    『思考の整理学』で有名な外山滋比古(1923-2020)が12チャンネルの「家ついって行っていいですか」に出演したようだ。死去する数年前、小岩井駅前のインタビューで尋ねられていたようだ。かなり体格の良い人で、フチ眼鏡を掛けていたので、間違いないと思う。この人死ぬ年までNHKにも出演していて元気だっ... 続きをみる

  • フルトヴェングラーウラニア盤『エロイカ』名演説の根拠

    第二次大戦末期のドイツでは、録音技術が発展して鉄線に録音する技術が発明された。やがて素材の鉄線が伸縮力に脆いので、素材が開発され化学繊維や日本のソニーは和紙が使われるようになった。テープに鉄粉を付着させたのである。しかし一貫して使用されたのが鉄粉で、鉄分と磁気の関係が録音再生の元になった。 その研... 続きをみる