続パスカルの葦笛のブログ

FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。

2023年1月のブログ記事

  • TBS『ゲットレディー』第3話罪と罰の関係は?

    第3話から俄然おもしろくなった。 安達(杉本哲太)という風采の上がらない男が、駅前で娘の持つカサを待っている。娘は途中で三人組の不良に襲われて、殺されてしまう。安達はその三人組に復讐するのだが、只の復讐劇ではなかった。 安達が三人組を殺害すると、即覆面医師団が現れて応急処置をして、助けてしまう。殺... 続きをみる

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  • 大町陽一郎指揮大阪センチュリー・大阪シンフォニカーのブルックナー8番

    インテンポで演奏してゆくのが意外であったが、Vでシンバル追加でとうとう禁じ手だっだアゴギークが登場した。お見事な演奏だった。 第三楽章。 淡々としたインテンポの演奏は肩透かしを食った感じだった。 238小節に至ると、リタルランドが掛かり、大きな間が出来た。 次の小節はシンバルが鳴る箇所だ。 やはり... 続きをみる

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  • 岩本真理と向田邦子

    向田邦子(1929-1981)は一度岩本真理(1926-1979)に会っている。1977年岩本真理51才の時であった。そしてインタビューして「雷・小さん・ブラームス・岩本真理」なる文章を残している。 それではからずも、新証言が出たことから。 指揮者の山田一雄は当日東京在住の楽団員がほとんど全員集ま... 続きをみる

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  • ソヒエフ指揮NHK交響楽団のドビュッシー交響詩『海』

    第一楽章、冒頭はppで開始されるのだが、ソヒエフは結構大きな音量で開始していた。 1-2つ前のトランペットでは、ミユンシュ指揮ボストン交響楽団は、三連音2つをタイにして演奏して2分音符と塊にして演奏させていたが、ソヒエフも踏襲していた。 ソヒエフの交響詩『海』で、大変面白かったのは初版『海』を使用... 続きをみる

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  • バイデン辞任とハリス副大統領昇任の背景

    2023年1月20日が何故重要なのか不思議な気がする。1月21日は大統領就任式で、二人は就任して二年を超えてしまうのだ。 従来から本命サンダースだが、サンダースでは大統領選挙に勝てない。無難なバイデンが大統領になり、途中でハリスが副大統領から大統領に鞍替えする案で、バイデン・サンダース・ハリス票が... 続きをみる

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  • 録音消去記念、梅田俊明指揮東京フィルのロッシーニ『ゼヴィラの理髪師』序曲

    録音の容量が制限されていて、整理しないと大変なことになる。消去するのが惜しい気がする。ということで貯まる一方なのだ。遂に本日名残り惜しい一曲を消去します。それが梅田敏俊指揮東京フィルでロッシーニの歌劇『セヴィリアの理髪師』序曲。(2015・6・21) ロッシーニのロッシーニ・クレッシェンドだが、説... 続きをみる

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  • テンシュテット指揮ロンドン・フィルのマーラー交響曲4番

    日本ではマーラーは前衛音楽の露払いだが、テンシュテットは明らかにマーラーはエンターテイメント(娯楽音楽)としてとらえている。その正否は別にして、だからテンシュテットのマーラーは楽しいのだろう。 第一楽章のコーダで、テンシュテットは聴衆に喜んでもらう企みを用意していた。 336小節のホルンで、テンシ... 続きをみる

  • バドゥラ=スコダとアンスネスの対話、モーツアルト24番を巡って

    アンスネスの独創の種はバドゥダ=スコダにあったという話である。 バドゥダ=スコダのピアノ兼指揮プラハ室内管弦楽団でモーツアルトのピアノ協奏曲24番(2001・6・9)。 第二楽章。 14小節で、アンスネスは楽譜にない装飾音符を弾いている。 アンスネスピアノ兼指揮スウエーデン室内管弦楽団(2020・... 続きをみる

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  • ヨッフム指揮ロンドン交響楽団でベートーベン交響曲5番

    1977年録音でフィナーレの過激なアゴギーク(伸縮)はおそらく古い時代の最後のあがきであろう。それほど凄みのある演奏だ。まず現代では体験できないものだ。 ヨッフム(1902-1987)は、84才で没したが、今考えるとそう老人でもない。誰も彼も90才で元気なのだから、老熟が阿保らしい。彼の立ち位置を... 続きをみる

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  • ウェルザー=メスト指揮クリーブランド管弦楽団でシューベルト交響曲8番

    第三楽章が濃厚な解釈があった。ゼッキ・ワルター・マーグの影響下に圧倒的な巨匠性を顕示したといえよう。 第一楽章。 94小節に入るや、ダイナミクスの強化といいテンポのアッチェレラントを掛けて速さの凄みを見せた。この手法はカルロ・ゼッキ指揮チェコ・フィルの演奏であった。 さて、201小節のトロンボーン... 続きをみる

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  • 渡辺京二の世界ーこざかしいこと言うな。これは浪花節だ

    渡辺京二(1930ー2022)は年末の12月25日に92歳で逝去された。若くして吉本隆明に師事し、日本人の原像を追い求めた吉本隆明は、『共同幻想論』で恥ずかしい日本人に到達します。俳優藤田まことに『共同幻想論』を見て、色紙を求め書斎に飾っていたようです。 1970年、厚生省で石牟礼道子や渡辺京二は... 続きをみる

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  • ズガン・ソヒエフ指揮NHK交響楽団でベートーベン交響曲4番

    第一楽章のコーダの解釈が大変ユニークだった。483小節のpだが、多分一般的には注目されないが、ソヒエフは無視されるpをむしろ4小節も持続したことだ。楽譜にはpcresc.だから直ぐに音が大きくなるはずだ。 ppの持続は珍しい。さらにクレッシエンド指定でもわずかpに増大しただけだ。そして489小節で... 続きをみる

  • 谷津矢車『雲州下屋敷の幽霊』(2)殿様と奇人天愚孔平

    雲州藩こと松江藩の6代藩主松平宗行は享保14年に生まれ、2年後の享保16年に父の死去で藩主になった。家老たちの合議で藩政がおこなわれたのはやむおえなかったが、摂政を置かなかったのが後の災いになったようだ。 元服した3年後の延享元年、16才の藩主に藩医の息子の12才の天愚孔平が御伽衆(遊び役)に命じ... 続きをみる

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  • 谷津矢車『雲州下屋敷の幽霊』(1)松平不味の父の話

    江戸時代は面白い時代で、家来の殿様いじめがあった。長男次男まではお世継ぎ様で、それ以下は乱暴に扱われた。廃藩にあった藩に新しい藩主がやって来る。旧藩士はどんなに弱い立場かというと、そうでもない。新しい支配者に面従腹背して、隙あらば次男三男を担ぎ上げて、お家騒動を企てる。時代小説の種は山本周五郎、藤... 続きをみる

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  • 2西村賢太で田中英光と広西元信は早大同級生と判明

    西村賢太は女に手を出さず、ひたすら稼いで金は学問研究の文献収集に費やした。同棲した女性への暴力は創作世界の虚構である。痴情小説はフィクションだ。 そのことを証明するのが『田中英光私研究』(8冊、1994-1996年)ではなかったか。私家版なので、生憎入手困難な文献である。しかし目録は公開されている... 続きをみる

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  • 1西村賢太『どうで死ぬ身の一踊り』

    西村賢太は最初田中英光に熱中していたが、その偏愛を息子の田中光二に拒否されて、もうこれ以上のめり込むことが出来なくなって、藤沢清造に乗り換えた。そんな艶めかしい前歴はあるのだが、孤高の作家藤沢清造では、思い存分に偏愛を傾注することが出来た。 ここまでは教祖と信者の関係だった。小説家になって見ると、... 続きをみる

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  • パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマー・フィルでベートーベン8番

    パーヴォ・ヤルヴィ(1962-)はロサンンジェルス・フィルハーモニー音楽学校でバーンスタインの薫陶を受けたという経歴があるが、なるほどと言わせる箇所があった。どちらかというとピリオド奏法が基本なのだが、モダン・オーケストラを使用して、ピリオド・オーケストラに固執しない。 ヤルヴィの特長はベートーベ... 続きをみる

  • 250万部のベストセラー加藤広『信長の棺』と欠陥小説

    織田信長の首がない。本能寺の変の永遠の謎に、解答を与えたということで話題が沸騰した。それで250万部の驚異の売り上げを記録した。 昨年のNHK大河ドラマの『鎌倉殿の十三人』では、しょっちゅう敵将の首が出てくる。源頼朝が敵の首を見て安心する。間違いなく敵の首だと証明されて終わる。首で証明されない限り... 続きをみる

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  • プロの酷評と読者支持の狭間で・宇江佐真理年譜(1949-2015)

    昭和24年(1949)10月20日、北海道函館市に生まれる。 昭和44年(1969)20才。 函館大谷女子短期大学を卒業する。OLになる。その後結婚し、専業主婦となる。やがて創作に意欲が生じて、投稿を始めた。ここまではカルチャーセンターに集まる文芸コースの受講生である。 岡田斗司夫が学校とは一時間... 続きをみる

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  • 人生に勝敗はあったが敗北の連続だった・西部邁年譜(1939-2018)2

    昭和52年(1977)、アメリカのカルフォルニア大学に二年間留学したが、その活動はよくは知られていないまま、日本に帰国した。青木正彦は恩師チップマンに出会い、その縁でアメリカの学界で地位と名声を築いたが、西部はその甲斐なく帰国した。数年低迷期間を経ることになる。 昭和58年(1983)44才の西部... 続きをみる

  • 人生に勝敗はあったが敗北の連続だった・西部邁年譜(1939-2018)1

    昭和14年(1938)3月15日、北海道山越郡長万部町に生まれる。  コメディアン由利徹の有名なギャグ「オシャマンベ」で、人口より熊の数の方が多いという不毛の地だったことが、第一の劣等感(田舎者)だった。父は浄土真宗の僧侶の子だった。つまり最低度のインテリに属したことが有利でもあり第二の劣等感(大... 続きをみる

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