続パスカルの葦笛のブログ

FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。

2023年4月のブログ記事

  • スクロヴァチェフスキ指揮ガリシア交響楽団のブルックナー4番

    この人の伝統回帰にも凄いものがある。アメリカ時代は機能一点張りの機能主義者で、楽譜に書いてあることを如何に音にさいげんするかに腐心した指揮者だった。そしたら古臭いブルックナーを取り上げ、しかも伝統的な解釈に復帰した。彼の本音はここにあったわけだ。伝統的な解釈を知らないないのではなく、ただ封印してい... 続きをみる

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  • テレビの総合力平均力が、岸田首相爆弾事件の犯人で再評価

    和歌山の岸田首相爆弾事件の犯人で、消える運命のテレビが再評価されてきた。犯人は安倍国葬に皆が反対しているのに何故実行したかで不満だった。 犯人が日本国民の皆が反対しているのに国葬をやったことに反発した。自分の心地よい意見ばかりに耳を傾けて反対意見が頭に入らない。SNSばかりやっている人は自分と同じ... 続きをみる

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  • 西部邁と「孤高の指揮者宇宿允人」

    保守論壇の巨星西部邁が、自分の番組で「孤高の指揮者宇宿允人」を特集している。宇宿允人(1934-2011・3・5)の没後百日で追悼番組をした。個人誌『発言者』で西部は宇宿允人を招いて、対談をしたのが最初で、5回ほど演奏会を聞いた仲になった。 宇宿允人が2011年3月5日に76歳で死に、7月に追悼番... 続きをみる

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  • ベートーベン交響曲5番『運命』の構造

    従来から『運命』は数学的構造に支配されているということが言われてきた。第一楽章の 提示部・展開部・再現部・終止部が「ほとんど同数の小節数をもち、非常によく部分間の均整がとれていることがわかる。」(諸井三郎)と指摘されていた。 バッハでは占星術の影響で、むしろ厳格な数字が厳守されていた。カントは天体... 続きをみる

  • 不運な指揮者ヘルベルト・ケーゲル(1920-1990)

    東ドイツの名指揮者ヘルベルト・ケーゲル(1920-1990)ほど不運な指揮者はいないだろう。人生には不運続きということがあるが、ケーゲルの不運もそうだった。不運に打ち勝つには奇をてらうしかないのだろう。 1979年、ケーゲルを日本に招聘したのは民音だという説がある。 O民音の招きで来日した。(青沢... 続きをみる

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  • 小林秀雄『音楽談義』昭和42年

    対談の相手は五味康祐、クラシック音楽では最も信頼した人物である。骨董の青山二郎に匹敵する好敵手だ。正直に言えば骨董の青山二郎にクラシック音楽の五味康祐は、落ちるだろう。だが何かオーディオとレコードでは絶対的信頼を置いていた。五味康祐に信用を置く何かがある。実は五味康祐は片耳は聞こえなくて、終始イヤ... 続きをみる

  • 司馬遼太郎に奈良本辰也、松本清張に樋口清之

    今年は司馬遼太郎(1923-1996)の生誕100年の記念年だそうである。東に松本清張(1913-1997)ありで、ともかく広い読者を持った。小林秀雄も「司馬遼はいいよ」と可愛いがった。大衆作家を国民作家に育てたひとだ。 司馬遼太郎は国民を左翼史観から国民史観に引き戻し、松本清張は違う意味で奥さん... 続きをみる

  • バリー・ダグラス、フィリップス指揮アルスター管弦楽団のベートーベン『皇帝』

    ピアニストのバリー・ダグラス(1960-)、チャイコフスキー・コンクールの優勝者。来日したこともあるピアニスト。随分懐かしい名前である。 アルスター管弦楽団の所在地にして、バリー・ダグラスの生地が北アイルランドのベルファーストだという。ベルファーストと言えばテロの地ではないか。1960年代のベルフ... 続きをみる

  • ライアン・バンクロフト指揮BBCウェールズナショナル管弦楽団のシューマン1番

    ワルター指揮ニユーヨーク・フィル1945年ライブ録音をバンクロフトは研究しているのではなかろうか。それだけにワルターに匹敵した名演であった。 第一楽章。 冒頭のホルンのコラールをワルターはリタルランドを掛けて演奏したが、バンクラフトが踏襲していた。 2と4小節に二人はリタルランドを掛けていた。もう... 続きをみる

  • シューベルト『美しき水車小屋の娘』と民話『猿嫁入り』(1)

    一見何の関係もなさそうでありながら、この二つは同じことを語っている。19世紀のドイツの詩人ミューラー(1794-1827)の詩集『さすらうホルン吹き』(1821)の第一部が『美しき水車小屋の娘』の詩であった。しかしこの詩はイタリアの作曲家パイジェルロの歌劇『美しき水車小屋の娘』の台本であった。決し... 続きをみる

  • ドレスデン版使用ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮北ドイツ放送響のブラームス4番

    ハンス・シュミット=イッセルシュテット(1900-1973・5・28)死去1通間前のライブ録音とのことだが、またドレスデン版を使用していることが珍しい。ドレスデン国立管弦楽団ゆかりの指揮者ブロムシュテットや若杉弘以外に使用しているのはないので、部外者の彼がドレスデン版を使用しているのが珍しい。19... 続きをみる

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  • 『映像の世紀—戦争の中の芸術家フルベンとショスタコ』

    NHKの『映像の世紀バタフライエフェクト—戦争の中の芸術家フルトヴェングラーとショスタコーヴィッチ』を興味深く見た。人間は国家から逃げられない。サッカー選手によってそれを知らされた。国家を自己否認したところで愚かと知らされて、日本のサッカー選手は改めて欧米並みに自ら国歌斉唱を歌うようになった。やが... 続きをみる

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