続パスカルの葦笛のブログ

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クレンペラーは出来不出来の激しい人(近衛秀麿)

今ユーチューブではクレンペラーのライブが連日紹介されていて、クレンペラーのライブを知らない人には貴重このうえない。


その一つが1966年のクレンペラー指揮ベルリン・フィルによるベートーベン交響曲4番である。


1966年はクレンペラーは西ドイツで一連の演奏会を持っていた。
3月、ケルン放送響 ベートーベン『レオノーレ』序曲3番、交響曲4番、5番。
4月、バイエルン放送響 同上。
5月、北ドイツ放送響 同上。


そして5月11日ベルリン・フィル ベートーベン交響曲『レオノーレ』序曲3番、交響曲4番、5番。この演奏会の交響曲4番の演奏が聞ける。


日本の指揮者近衛秀麿は、クレンペラーを「出来不出来の激しい人」と批評していたが、1920年代のベルリンの印象であるが、どうも1960~70年代も変わらなかったようだ。


さてこのベートーベンの4番であるが、ドイツの指揮者特有の同音をタイで持続させる癖がある。第二楽章であった。
第二楽章81小節のクラリネットである。写真引用はシャイー指揮ライプツィヒ・ゲバントハウス管弦楽団の演奏である。クレンペラー指揮ベルリン・フィル1966年が同様の演奏をしていた。シャイーは伝統的演奏の発掘に関心があったが、クレンペラーの演奏も同じことが言える。


第四楽章、45小節以下の第一バイオリンと低弦のダブル・メロディーを対位法的に処理したクレンペラーの演奏は秀逸であった。
素晴らしい対位法的な演奏である。