アンドリス・ポーガ指揮スタヴァンゲル交響楽団の『海』
このオーケストラには山田和樹がシベリウスの2番を指揮し、来日までしているらしい。指揮者のアンドリス・ポーガ(1980ー)も度々来日しているようだ。
ドビュッシーの交響詩『海』も冒頭から明解な音作りがあった。
面白いのは二楽章の終わりでテンポを落とした辺りだ。
42-7のフルートをラレンタンドで演奏させた。
第三楽章の55-1小節前のオーボエにやはりラレンタンドを掛けてテンポを落とした。
そして56-5小節から、アッチェルランドにしてテンポを速めた。
この辺が『海』の演奏の山になって行く。
57-1小節のホルンからポコ・ラレンタンドにして少しテンポを落とし始めた。3小節からラレンタンドにして、さらにテンポは落ちた。
続く4小節目までさらに遅くなる。
上段の最後、57-8小節の第一バイオリンだが、スタッカートの付いた3連音符に、ポーガはリタルランドを掛けて階段的な1:2:3といったテンポの落ち込みをやっている。独創的な解釈に驚かされた。
ここが『海』の演奏の頂点になったろう。
Oアンドリス・ポーガ指揮スタヴァンゲル交響楽団ドビュッシー交響詩『海』(2022・3・31)