続パスカルの葦笛のブログ

FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。

ヴァイグル指揮読響のブラームス『ドイツ・レクイエム』

久々の手ごたえのあるブラームスの『ドイツ・レクイエム』の演奏であった。


ヴァイグル指揮読響(2022・9・22)


やはり第6曲が盛り上がったし、ヴァイグルの指揮振りもあった。


66小節のバリトン・ソロの”Au”をfで歌わせていたのは見事だった。


続く75-76小節のテンパニの2つのffを、ヴァイグルは一打一打に分けて打たせたのに工夫があった。
まあ、楽譜には指揮者にffの持続だとも取れるが、ヴァイグルはffが2つあるところに着目したわけだろう。そしてffを独立したものと解釈した。大変効果的であった。


184小節のffが凄かった。192小節に同じffが登場するが、ダイナミクスとしてはfffであった。
同じffの中に、fffで打たせるというヴァイグルの度量を感じた。その違いを引き立たせる思慮分別が指揮者の格なのであろう。


ということで、日テレの深夜にちょっとした拾い物をした気がした。