続パスカルの葦笛のブログ

FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。

ズガン・ソヒエフ指揮NHK交響楽団でベートーベン交響曲4番

第一楽章のコーダの解釈が大変ユニークだった。483小節のpだが、多分一般的には注目されないが、ソヒエフは無視されるpをむしろ4小節も持続したことだ。楽譜にはpcresc.だから直ぐに音が大きくなるはずだ。
ppの持続は珍しい。さらにクレッシエンド指定でもわずかpに増大しただけだ。そして489小節でfに増大しただけ。それだけ491小節のffは印象深くなるわけだ。


第二楽章。
58-59小節の第一バイオリンで、ソフィエフはシャイー指揮ライプツイッヒ・ゲバントハウス管弦楽団と同様にクレッシェンド・デイミヌエンドの組み合わせにした。


面白いのは、81小節のクラリネットで、シャイーとクレンペラー指揮ベルリン・フィル1966がドイツ系指揮者に多いタイ記号にして一塊の音にしているのに、ここではソヒエフは楽譜通りに演奏させている。


第四楽章。
31小節のテインパニだが、どうも旧版の8分音符で打たせたようだ。ベーレンライター版は第一バイオリンの16分音符に変更している。


45小節の低弦ではfで強く弾かせていた。トスカニーニ指揮BBC交響楽団1939の影響だろう。83小節、84小節の強調もそうだ。156,159小節の弦の強調もそう言える。


316小節のテインパニのsfはトレモロを切らないで打たせた。


345-347小節の第一バイオリンはインテンポで押しとうした。さすがに348小節、350小節の頭にアクセントを掛けていた。これも一般的には粘り強くテンポを落とすのだが、あっさりしたのが信条なのであろう。