バドゥラ=スコダとアンスネスの対話、モーツアルト24番を巡って
アンスネスの独創の種はバドゥダ=スコダにあったという話である。
バドゥダ=スコダのピアノ兼指揮プラハ室内管弦楽団でモーツアルトのピアノ協奏曲24番(2001・6・9)。
第二楽章。
14小節で、アンスネスは楽譜にない装飾音符を弾いている。
アンスネスピアノ兼指揮スウエーデン室内管弦楽団(2020・10・8)
誠に独創の至りである。
72小節で、バドゥダ=スコダが同様に楽譜にない装飾音符を弾いていた。
彼は2001年の演奏だから、彼が先行していることになる。
しかし同じ箇所を同様に弾いているわけではないという意地が凄い。芸術家の魂の凄さだ。同じ音型を別箇所に発見して踏襲した。立派である。
第三楽章。
65小節。カーゾンでケルテス指揮ロンドン響は、第一拍をfで弾いている。そこを今度はバドゥド=スコダは同様にfで弾いている。これはカーゾンの勝ち。