続パスカルの葦笛のブログ

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テンシュテット指揮ロンドン・フィルのマーラー交響曲4番

日本ではマーラーは前衛音楽の露払いだが、テンシュテットは明らかにマーラーはエンターテイメント(娯楽音楽)としてとらえている。その正否は別にして、だからテンシュテットのマーラーは楽しいのだろう。


第一楽章のコーダで、テンシュテットは聴衆に喜んでもらう企みを用意していた。
336小節のホルンで、テンシュテット指揮ロンドン・フィルと近衛指揮新響はfで始めている。


ここは多くの指揮者がシノギを戦わせている。337小節のテンシュテットがpにしている所から近衛はラレンタンドにしている。ワルター指揮ウィーン・フィル1960は2拍からリタルランドを掛けている。近衛は238小節をドイツ系よろしくタイを掛けている。彼の自慢の蘊蓄なのだろう。


その続きだ。
テンシュテットとメンゲルベルクはかなり時代がかったリタルランドで演奏している。メンゲルベルクは341小節の付点4分音符にクレッシエンドを掛けている。


凄いのはテンシュテットと近衛が342小節でポルタメントないしはグリュサンドでバイオリンを演奏させていることだ。旧い楽譜にはマーラーの指定があるのかも知れない。もう一つはテンシュテットがあ近衛のCDを聞いたのかな。おまけに近衛はクレッシェンドしている。


さらにテンシュテットは344小節かたアッチェレラントにしてテンポを速めた。


第四楽章。
冒頭から11小節で、やはり名指揮者工夫をした解釈をしている。
近衛が1番際立っていた。2拍からラレンタンドを始め最後の音符にフェルマータを掛けて長々と伸ばした。


山田一男指揮京都市交響楽団は最後の音型にラレンタンドを掛けている。マーラー・プリングスハイム・山田一男といった直伝の解釈ではないかと邪推するのは妄想か。