カサドジュ指揮関西フィルの『幻想』交響曲
隅々に至るまで名演であった。92歳でアルプス交響曲を詳細に表現したハンス・ドレバンツと双璧だと言えよう。カサドジュの方は86歳という。
とくに第一楽章の演奏は詳細を極めた。
166小節の反復もカサドジュは行った。
451小節のテインパニでは、一打派と二打派に分かれるのであるが、カサドジュは一打派であった。
490小節でも同じ。
第二楽章。
231小節のフルートで、カサドジュは最後の2つの16分音符にアッチェルランドをかけたのは独特な解釈である。
これは類例がない。
243-4小節のフルートで、カサドジュはラレンタンドをした。
アンセルメ、クリュイタンス、ミュンシュなどのフランス人指揮者の定石である。
記念碑的な名演であろう。