続パスカルの葦笛のブログ

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ドレスデン版使用ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮北ドイツ放送響のブラームス4番

ハンス・シュミット=イッセルシュテット(1900-1973・5・28)死去1通間前のライブ録音とのことだが、またドレスデン版を使用していることが珍しい。ドレスデン国立管弦楽団ゆかりの指揮者ブロムシュテットや若杉弘以外に使用しているのはないので、部外者の彼がドレスデン版を使用しているのが珍しい。1973年5月の録音。


第一楽章。
コーダで異例のリテヌートを掛けた。
439小節のテインパニの4つの4分音符にハンス・シュミット=イッセルシュテットはリテヌートを掛けたのが印象的であった。


カール・シューリヒト指揮バイエルン放送響が同様であった。甲乙つけがたい名演である。


第四楽章。
201-208小節の26変奏曲だが、テインパニは三連音が続くのである。どうゆうわけか204小節の1小節が空間で、ドレスデン国立管弦楽団だけは埋めて演奏するのが伝統の習わしになっている。
ドレスデンゆかりの指揮者が、ドレスデン国立管弦楽団で4番を演奏する時だけ空間を穴埋めして演奏するのが伝統になっている。若杉弘といった人もドレスデン国立管弦楽団で4番を演奏する時はこの伝統に敬意を払って穴埋めしてテインパニに打たせている。異例である。ドレスデン版の所以である。


ブロムシュテットと若杉弘以外にこんな演奏は聞かないのである。3例目である。


この伝統を部外者のハンス・シュミット=イッセルシュテットが北ドイツ放送響で演奏するとは異例中の異例だろう。但し何か根拠があること物語っているのだろう。ブラームス自身の指示とかがあったとか、初演者ビューローが登壇した時の訓示があったとか。