フランク指揮フランス放送フィルのドビッシー交響詩『海』
フランクの巨漢の体格に相応しく強引に引っ張られてゆくドビッシーの『海』は改訂版の楽譜の弱点にもかからわず、強引な音作りが功を奏した。
フランクはあまりテンポを揺らさないのだが、それでも最小限のアゴギーク(伸縮)があった。第三楽章の49-10小節で例によって幾分テンポを落とした。52-7小節ではデイミヌエンドを反対にアクセントで強調した。
55の1小節前でやはりテンポを落としたのが印象的だ。
さすがに62の1-2の後半は楽譜通りでなくフェルマータで延ばした工夫を見せた。
終結はテインパニを前打音でなく8分音符2つで締めくくったのが功を奏した。まずまずの名演となった。この人は強引に持って行く音楽には向いている。