続パスカルの葦笛のブログ

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N響生中継ルイージ指揮NHK交響楽団のフランク交響曲

ルイージによると近年のヨーロッパでは次第にフランクの交響曲は演奏されなくなっているという。元来が地味な音楽である上に名演が少なくなったためであろう。フルトベングラーやパレーの演奏などが名盤なのであろう。ヤニック・ネゼ=セガンが指揮したモントリオール・メトロポリタン歌劇場管弦楽団の演奏などは直近の名演である。


さてルイージ指揮N響の演奏だが、フルトベングラーの名演を欲しいままにした第一楽章のコーダは、ルイージはフルトベングラーほどではないが、テンポを落とした。
 512小節のテインパニの後半の3つにポコ・リタルランドを掛けた。まずまずの定石だといえよう。その点でバレンボイムは生前のフルトベングラーを知っていた馴染みもあり、思い入れが深く丁寧に彼の演奏を踏襲するのでモルト・リタルランドになっている。


第二楽章。
107小節のフルートで、ルイージは4番目にテンポを落とさせた。
 この程度のテンポの落ち込みは小泉裕もやっている。


おしなべて遠慮がちな演奏であったか。やはりそれが演奏されなくなった原因かも知れない。金子登がウィーンに留学中、ウィーン・フィルの連中がフルトベングラーが大変な名演だったと自信をもって推奨した演奏で、以来録音は古く音質は悪くても、今日まで聞かれている所以もあるわけだ。これを凌ぐ演奏がない。