続パスカルの葦笛のブログ

FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。

斉藤有香里指揮関西フィルのシューマン4番

斉藤はドイツの正統派の指揮伝統を学んでいて、それを日本に移植するという点で優れているわけで、今回もそれを痛感させられた。


第一楽章。
42小節のテインパニで、斎藤はリタルランドを掛けた。
ケーゲル指揮NHK交響楽団の演奏はその3つの8分音符にffを掛けたということでユニークだった。もっともケーゲルは16分音符からリタルランドがかけられているから、その頂点がちょうどffが掛かった所から開始されるので半端でなかった。
テンシュテット指揮ベルリン・フィルはリテヌートを掛けた。
斉藤有香里指揮関西フィル(2021・11・21)はリタルランドで、これも結構ユニークな解釈になった。


第二楽章。
9小節、O番号の前で、斎藤はかなり長い間を入れた。


実は豊田豊児指揮群馬交響楽団が、この箇所でOの縦線上でフェルマータを掛けて、実にうまい間を置いた。滞独40年の芸というべきだろう。その点に敏感に反応したと言うのが
斉藤の美点である。


というわけでこの間の取り方はドイツの伝統的な演奏法なのだということが分かるのである。


第三楽章、ロマンス。
51-53小節の低弦の強調はワルター指揮NBC交響楽団なのだが、以下この音型を繰り返すが、斎藤も低弦強調がみられた。これもドイツ風の強みだった。


第四楽章。
75小節で、ヘレヴェッヘ指揮フランクフルト放送交響楽団で、ヘレヴェッヘが思わず飛び上がって指揮している。お前はバーンスタインかと突っ込みを入れたいほどだが、これはおまけ付グリコ。ユーチューブで見られるので御覧あれ。



付記。
さて、長野中野市の殺人事件だが、俺の人生滅茶苦茶だということで両親を殺すのだが、両親健在なのが珍しい。隣人殺害は、自分の悪い噂をしているということで、典型的な幻聴(覚せい剤・統合失調症)といえる。警官を躊躇なく射殺するのは、警察への敵意。脈絡のない新型の殺人らしい。今テレビで「親ガチャ」をやっているが、実は養子で遺伝子の因果なしと落としている。親ガチャが否定される。シナリオが秀逸。(ラストマン)あの犯人、リアルが劇画なのかな。母親が殺してやるからライフルをよこしなさいと取り上げている。丸で劇画だよ。そんな賢い母に愚かな子ができるか。