続パスカルの葦笛のブログ

FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。

ルイージ指揮NHK交響楽団のベートーベン6番『田園』

大変フルトベングラーを意識した演奏だった。その影響は多々あったのが好ましかった。


第二楽章。
フルトベングラー指揮ベルリン・フィル1954年では小鳥たちのさえずりでは、132小節のフルートの後半でアッチェレラントを掛けたが、ルイージが踏襲している。
正確に言えば、3つ目から急速に速度を上げた。


第三楽章。
131-132小節のクラリネットの下降旋律はさらにテンポが速いのが、フルトヴェングラーとルイージであった。ここはルイージはどうしてもフルトヴェングラーの真似をしたかった所だ。
ルイージはフルトヴェングラーの真似が出来た演奏で会心の出来だとほくそ笑んでいたのではないか。いや、速いのなんの。あすこまでデフォルメすると演奏する方は気持ちが良いのだろう。


第四楽章。
49小節のテインパニで、フルトヴェングラーは後半からクレッシェンドしているのが、1944年のフルトベングラー指揮ベルリン・フィルであった。
ルイージがまた1944年の録音を感銘深く受け取ったらしく、今回のNHK交響楽団でそう演奏させていた。ベルリン・フィルの白眉の演奏といったらいいかも知れない。1954年でも同じだった。