続パスカルの葦笛のブログ

FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。

バレンボイム・ゼジニゼ・木村太郎

2023・6・16(金)は、色々な事がありました。


評論家木村太郎はフジテレビで7月ウクライナ和平締結を予言しました。果たして当たりますか。それにしてもテレビでは最初の発言で、これが貴重です。裏世界では目に見えない動向がある。多分岸田首相の解散不発弾発言は、選挙どころではない激動を反映している。やはり中国が主役で、プーチンに習近平が引導を渡すということなのでしょう。


ロシアは民主主義国家に生まれ変わる生みの苦しみを体験をしながら、民主主義という赤ん坊を出産出来なかった。日本は昭和9年から昭和31年「もはや戦後ではない」で、戦後復興に成功した。昭和10ー30年の20年の昭和史はがん化状態の変態歴史だった。大正時代以来民主主義は健全に進歩し発展していたのだが、ファシズムの到来で横道に進まされた。ガン化状態(異常な領土拡大)になった。戦前のジャズ歌手灰田勝彦は戦後の野球少年灰田勝彦に結び付く。その間の歴史が間違っていた。


今佐野真一『旅する巨人渋沢敬三と宮本常一』を読んでいる。満州の建国大学の教授に招聘される宮本常一に、「日支事変以後、日本はどんどん泥沼に足を突っこんでいる。おそらく近いうちに世界大戦になるだろう。そして日本は敗退するだろう。満州はかならず捨てなければならなくなる日がくる。」と渋沢敬三にいわれた。渋沢栄一は野球のベイブルースや青い目の人形といった日米民間親善を図るが、ついに幕末横浜でアメリカ公使館を焼き討ちしておけば良かったとアメリカの理不尽と悪意に怒った。日本を討つ気なのだから親善はない。邪悪には理性しか対抗できない。全ての熊や猪が仕掛けに掛かる訳ではない。極一部でしかない。野生のパンセの方が有利なのかも知れない。何が邪悪か、本能が判断してくれる。この本に左翼がファッショになびく姿も満載なのだ。有沢や大内は戦争中でもいい目をしている。一貫していい目をしている。


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『ドキュランドへようこそ―無調の輝き現代音楽に魅せられた少年』があった。ジョージア(グルジア)の天才音楽少年ズオトネ・ゼジニゼ(2012-)のドキュメントだ。


ベルリンで10才のゼジニゼはバレンボイムに面会する。そういえばバレンボイムはフルトベングラーやクレンペラーに紹介されデビューした。アンファン・テリブル(恐るべき子供)はリスト以来長い伝統がある。リストはサンサーンスを発掘したし、ゴミ箱からベルリオーズやワーグナーを拾い上げた。リストがいなければ存在しなかった音楽家だった。


バレンボイムもアンファン・テリブルの一人だった。ブルトベングラーやクレンペラーの御恩返しに献身しているのだ。バレンボイムはマスク姿で登場する。ああ、これがバレンボイムの姿の見納めなのだな、と感慨深い。