続パスカルの葦笛のブログ

FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。

木原誠二はアラン・ドロンを越えられるか

(すべて公開情報です。)メグレ警視で有名なパリ市警は、ブローニュの森で青年の死体を発見した。死体を調べるとユーゴスラヴィアからやって来たことが判明した。さらに調べるとユーゴの青年と有名な俳優A・Dとが関係していたことが判明した。要注意人物として更なる捜査がおこなわれた。するとホテルの部屋でAと女性がベッドで裸体姿で写真が撮られた。女性を調べるとポンピドー夫人と判明した。パリ市警は捜査を続行した。次はホテルでAと男が裸体姿で写真が撮られた。その男を調べるとポンピドー大統領と判明した。「こりゃ駄目だ」とパリ市警は捜査を中止したという。さすがのパリ市警も現職大統領の捜査には躊躇せざるを得なかった、という話しである。Aを殺人犯で追及すると、ポンピドー夫妻共肉体関係を追及することになるので、取りやめになった。


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2018年頃の木原誠二は今の顔と別人のような顔をしているのに驚かされる。全く別人の顔である。凡庸な顔だ。国家を動かす権力を奪取すると、人相まで変わる。まさに権力を握り行使した自信満々の男の顔だ。40歳を過ぎた男の顔は自分で造るといったのはリンカーンだが、木原の今の顔は自分で造った顔に違いない。


2006年4月、モデル同士の安田種雄とX子は一目ぼれで結婚をした。一方Yという男と知り合い浮気をした。すぐ同棲を始めたが、夫の追及で同棲所を発見され、実家に帰ることになった。夫の古風なモラルがこの事件の発端だった。多情多恨な女、所謂ヤリマン女だった。そういう女はそういう女としてしか生きれないのに、妻の座に強制したのが悪かった。


さらにX子は大学ボクサーの父が刑事だったのも災いした。溺愛されていたので、殺してよと言われて同意するのだった。一月万冊の佐藤章によれば、父刑事はナイフに粘着テープを貼ってYに握らせて指紋を付着させて犯人に仕立てたらしいのだ。それでYを現場に呼んだ。当初Y が疑われたが時間的な不可能犯、X子は女性では不可能犯で、ボクサー刑事の父ことZが真犯人というのが佐藤誠元刑事の見立てだった。(警察は自浄している。)


Zは煩さ型の男で、人間関係上から敵にしたくない男で、警察組織はどうしてもZに流されるのだった。自殺で終結を打ち立てた。(ボクサー繋がりで言えば、ボクサーが犯人だった事件で、シャツを味噌樽に沈めて証拠捏造した刑事は、このタイプの人なのだろう。よく似てる。最高裁は刑事が証拠捏造したのが悪いといっている。ボクサーは犯人ではないと言っていない。昔も今も同じなのに驚く。)


2014年、X子は銀座のバーでホステスになり、木原誠二と知り合い、結婚した。木原は銀座ホステスに二股を掛けていて、「俺の子を早く産んだ方と結婚してやる」と言い放った。不運なのはX子が早く木原の子を産んだことだ。X‘子が先に産んだらこんな事件にならなかった。X‘が産んだら木原誠二は次期総理だったのに。なぜか貧乏クジを引く木原だった。


2018年4月、警察はこの事件を再調査することになった。自力で浄化しているのに敬服。驚愕なのはX子が木原誠二の妻になっていた。妻が警察に呼びだされた。木原は二階幹事長に相談した。「何とかしてください」「バカ野郎。さっさと別れろ。大スキャンダルだろう」(二階にしては珍しい正論だった。)親分の岸田に言うと、俺の子分を叱りやがってと憤慨した。「役につかすから自力救済しろ」(岸田)。10月、自民党情報調査局長に木原が就任した。警察ににらみが効く地位だった。11月、大塚署の担当者は縮小したり配置転換された。ここで木原誠二は権力のうま味を知った。安田種雄の遺族を刑事が訪問し「この捜査から外され残念です」と報告した。


警察幹部が二階幹事長を訪問した。二階は動いて何円になる話でないので、「捜査の邪魔をしないけど、報告書は出しなさい」といった。木原と警察のやり取りを逐一報告した『捜査報告書』(文春砲の種本)が作られた。「俺が裏から手を回しておいたから、心配するな」(木原誠二)「うん」というタクシーの会話のテープまで報告されていた。


以上でこの事件は闇に葬られた。
歴史が動いた。3年後、岸田が首相になった。新しい資本主義は木原のアイデアだった。2022年ユーチューバーのガーシーが参議院議員に当選した。ガーシーは芸能人のスキャンダルで人気者になっていた。楽天の三木谷のスキャンダルを攻撃して、パトロンの三木谷から逮捕してくれと依頼された。(これが今回の出発点だった。)木原の権勢では容易な逮捕だった。飛ぶ鳥を落とす勢い、岸田を裏で動かす権力者といわれた。


木原には二号さんがいて二号宅から二号さんの運転するベンツで首相官邸に出勤する横柄な蛮行が話題になった。週刊誌が報道し、本妻が可哀そうだと同情する論調で攻撃した。話題が本妻に向いて、可哀そうな本妻は実は夫殺害容疑のスキャンダルがあったことが、ひょんなことで思い出された。事件をもみ消していた顛末のメモまで出てきた。(佐藤章は文春砲は『捜査報告書』で攻撃していると見立てている。)古傷が痛み出した。


ガーシーから楽天三木谷、三木谷から木原、木原から二号さん、二号さんから本妻、本妻から夫殺人スキャンダルが再燃した。人間悪いことは出来ないものだ。X 子の実父まで逮捕されたら、天網恢恢疎にして漏らさず。この事件を知れば知るほど真実を追及する刑事たちに出会うのである。江戸の敵を長崎で討つ、という格言もある。