続パスカルの葦笛のブログ

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バレンボイム指揮ベルリン・フィルのブラームス2番

バレンボイム指揮ベルリン・フィルのブラームス2番(2023・1・6)の演奏。


バレンボイムはその月末に健康が優れず事実上の引退表明をした。ところがその後体調が好転して仕残りの仕事をする、その一つが今秋にベルリン国立歌劇場管弦楽団でブラームスの交響曲の全曲演奏会を行う予定であるらしい。


これはどうもベルリン・フィルとの演奏に不満が生じて、手兵のベルリン国立歌劇場管弦楽団で満足した演奏を披露したいという趣旨らしい。


その主要原因はベルリン・フィルの演奏のミスではなかったか。それはバレンボイムの責任というよりは、ベルリン・フィルの楽団員の責任なのであろうが、体調の悪かったバレンボイムが故意に指示を送って、楽団員が誘導されたという点で、指揮者のバレンボイムが雪辱を挽回したい、ということか。


ブラームスの交響曲2番の第四楽章でそれが起きたのだった。
23小節のトランペットが、1拍前に出てしまった。単純といえば単純なミスである。ベルリン・フィルでもミスするのか、といったミスだ。


確かに体調不良なバレンボイムがミスでトランペットに『入り』の合図を送ったのだろう。それが1拍速かった。


それよりはバレンボイムは主旋律をピック・アップするよりは、副旋律をピック・アップする癖があって、その結果演奏が不鮮明になるのだが、この演奏にしばしばあった。それで聞きにくくなったのも確かだった。


ともあれ有終の美が欠けた点が残念であった。