続パスカルの葦笛のブログ

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楽譜にない装飾音符を演奏したフォークトのモーツアルト24番

2022年9月に51歳で死んだドイツのピアニストのラルフ・フォークト(1970-2022)のモーツアルトのピアノ協奏曲24番の演奏です。イリン・マリン指揮ベルリン放送交響楽団で2003・3・1の録音です。ユーチューブ公開で誰でも聞けます。


モーツアルトのピアノ協奏曲24番、第二楽章が最もフォークトの独創性が発揮された場面だった。


アンスネス(1970-)も同年生まれでのピアニストであったが、奇しくも同じ箇所で独創性の共演をしているのが凄い。
アンスネスが67,68,69小節で楽譜にない装飾音符を演奏すれば、片やフォークトは68小節で装飾音符を演奏している。


72小節の第一拍でバドゥダ=スコダが楽譜にない装飾音符を演奏すれば、片やフォークトは72-73小節で4分音符・4分音符・2分音符に3回も楽譜にない装飾音符をこれでもかと念押しに演奏して、先師様の演奏を蹴散ちらしている不遜さが又凄い。


これでは大巨匠も型なしだな。


というわけで、この演奏の山がここだ。


ドイツの巨匠バドゥダ=スコダの衣鉢を継ぐ人がフォークトだったという暗示だったかも知れない。