続パスカルの葦笛のブログ

FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。

バーメルト指揮札幌交響楽団のシューベルト8番第二楽章2

メインカルチャーが揺らいでいる時、注目されるのがサブカルチャーの存在である。バーメルトはサブカルチャーに注目した演奏をこの第二楽章で演奏している。


80小節の続き、83小節のクラリネット、85小節のオーボエと歌い継がれる旋律に、84小節のチエロで突如として別の旋律が聞こえる。これがサブカルチャーだ。
97小節のクラリネットがソロで主旋律を演奏すると、98小節の付点4分音符の後、また下位のチエロが16分音符の旋律を奏するのだが、この受け継ぎは絶妙な演奏になっている。ここからも第一バイオリンとチエロが対位法で異なる旋律を演奏する。


98小節の呼応は、117小節のファゴットと第二バイオリンで再現される。これもまた素晴らしい演奏になっている。


207小節のオーボエの演奏の下でチエロが別のメロディーを演奏している。メインカルチャーとサブカルチャーである。2つの異なりが対立しなから良い塩梅で混じり合っている。


253小節のチエロがソロで主旋律を演奏し始めるが、257小節でオーボエに肩代わりされ、260小節でチエロが奪い返す。オーボエの下位のチエロが258,265小節で異なったメロディーを演奏させるのがバーメットの見識だろう。


267小節からフルートが主旋律を延々と演奏し、弦が伴奏に回るのであるが、バーメルトは伴奏こそが主役だと伴奏を強調していた。