続パスカルの葦笛のブログ

FMラジオやテレビやCDのクラシック音楽の放送批評に特化したブログです。

続々ウクライナ危機を音楽で考える。

映画『赤い闇』が3月ユーチューブで全編見られるようになった。これこそウクライナ危機のおさらいである。1929年の世界恐慌で世界中が不況になったのに、何故かロシアだけが繫栄している。


これは可笑しいと思ったイギリスのジャーナリストが、ロシアに行って謎を解明すると、謎を解く鍵はウクライナと言われる。そこでウクライナに行って見る。


これが映画の発端である。しかし問題の立て方が可笑しいだろう。同一労働同一賃金が徹底された社会主義社会は富の配分が平等であったので、その結果一人の飢餓も出さなかった。その実例を見せられて、世界中が驚嘆し、社会主義がユートピアを実現したと思った。


フーコーはマルクスは十九世紀の思想家で所詮十九世紀限定の思想で、20世紀には合わないとしながら、貧困撲滅ではアジア・アフリカでは有効性があるとした。問題が自由なら古臭い思想、貧困なら未だに有効だという。


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知識人は有史以来解決出来なかった貧困を解決したソビエトに魅了された。党の絶対命令に盲従しても社会主義を実践した。東京駅で小林多喜二は伊藤整と出会うと未だにモダニズムかねと皮肉を言われて、面目がなかったという。良心ある者は革命に実践したのである。


ウクライナに行いったジャーナリストは、小麦の豊作なのに、農民が餓死しているのを発見する。こりゃ何だと思う。豊作貧乏の実態を解明する。


日本でも米作の供出があり、新潟では自分が食べれなくなるまで供出したが、長野では自分の家で食べる分は潤沢に残し遂には長男徴兵免除まで獲得したようだ。ウクライナでは全てが搾取された。


スターリンは何故そこまで農民を搾取したかというと、彼の個人的な農民憎悪があったようだ。長野の賢い農民が許せなかった。新潟の農民たれ、ということだ。


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ウクライナの未曾有の豊作で、余剰小麦を輸出した外貨で、ロシアの重工業の育成を計画した。これが味噌だ。アメリカは不況で重工業製品がまったく売れなかったが、ロシアは最大の顧客になった。数年ウクライナは豊作が続きこれを売り、アメリカから重工業を導入した。これでロシアの重工業が育ち始めた。ウクライナの飢餓に上に工業化政策があった。


憎むべき社会主義国はアメリカの最大の顧客であり続けた。その結果ソビエトを憎みつつ産業界は顧客のソビエトのスパイに寛容であり続けた。ナチス・ドイツが当面の敵であった。アインシュタインは原爆でナチスを駆逐したいとマンハッタン計画をおこなうが、丸まるソビエトのスパイに盗まれ、ウクライナ農民の売血で作られた重工業の成果で原爆がコピー出来た。まったく世界史は悪夢ですよね。ロシアが農業国なら原爆は作れなかった。(中国を農業国にしておけばよかったのだ。)ウクライナ農民を餓死させて、つまるところは原爆製造だった。裏目裏目の世界史だ。


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最後に、今回のウクライナ危機は、どうもウクライナの内紛で終わる予定であったらしい。ゼレンスキー大統領が亡命して親ロ政権樹立で終了が第一プランであった。ウクライナはロシアの一部には、異論がない。ロシアもアメリカも合意していた形跡はバイデンのアメリカ介入無しの発言。アメリカとドイツが亡命を催促していたこと。


ゼレンスキーは喜劇役者で、政治は素人。プーチンの野望に素朴に怒った。国粋主義者になってしまった。2013年のマイダン革命でウクライナ人は愛国心に目覚めてしまったと言う。内紛を救国戦争にしてしまったのが、ゼレンスキー。第二プランに変化し、プーチン打倒にまで行ってしまった。本音と建て前で、建て前が引っ込めなくなった。建て前を通すしかなくなって、現在になった。


プーチンは中国の属国になって、第二次モンゴル帝国に飲み込まれたとは、凄い話だ。



O次回は、追悼大町陽一郎を投稿の予定です。