ルイージ指揮NHK交響楽団のハイドン交響曲100番『軍隊』
なかなかユニークな解釈があった。基本的にはアルノンクールの演奏が投影されていた。
第一楽章の62-67小節の金管の強調はアルノンクール指揮南西ドイツ放送響の演奏を踏襲したものだった。
アルノンクールの場合にはsf(スフォルツアンド)だったがルイージではfか。
こういう例は104小節の低弦で楽譜はpだがアルノンクールはfで強調すると、ルイージ指揮NHK交響楽団もfで演奏していた。
面白いのは第三楽章で、ルイージの世代はもうワルターとかクナッパーツブッシュとかの名演の影響などは受けないのであるが、42小節でクナッパーツブッシュ指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団1935年の演奏で、2拍で休止をしているのであるが、ルイージ指揮NHK交響楽団が同様の2拍で休止したのである。
42小節は低弦だけが4分音符を演奏しているが、それ以外は休止しているのだ。
古い楽譜には全て休止になっている異版の楽譜があるのかも知れない。
ルイージにも、ここで休止する理由があって採用したのであろう。
今更クナッパーツブッシュの古臭い演奏の影響は受けないが、休止した理由には納得性があり、同調したとみられる。
ルイージの卓越した見識というべきか。